ファッションは浪費の創造なのか
ブーツにもいろいろなブーツがあり、また翌年になればデザインやカラーも変化します。
ファッションには多様性と変化が必須の条件です。
人にはそれぞれのライフスタイルがあり、年齢や感性や価値観によって、衣服も靴も違います。そして時がたてばトレンドによってその衣服も靴も変化します。
この当たり前のことが変わり始めています。
母親と娘が同じような靴をはいていても、ふたりはそれぞれ年齢にふさわしい装いに靴を上手にコーディネーションしています。
スニーカーやジーンズでは当たり前のことです。
スポーツシューズはもともと競技のための道具ですし、ジーンズも元は作業着ですから、年齢や男女に関係がありません。
ファッションが日常生活にとけ込んでカジュアル化がすすみ、こうした道具的なものをみんながそれぞれのコーディネーションで装うようになったのです。多様化と変化がファッションで、それが個性化だと云えなくなりました。
自分のスタイルや容貌に合ったコーディネーションこそ究極の個性化ということです。モノの多様化ではなく、コーディネーションの多様化ということです。そこには自分らしさの表現という、創造する楽しさがあります。
「多様化」と「変化」は古いものを捨てさせ、つぎつぎと新しいものを消費することで需要を創出し、社会を成長させました。ファッションは浪費の創造と云うことができます。
資源や環境の問題が時代の大きなトレンドになった現在、こうしたベーシックで継続性のあるファッションが拡がって行くかもしれません。 |