造形性の深化、未来志向のモダニズム、重厚さと神秘性の表現を目指して
靴、バッグをはじめ、アパレルに至るまで、デザインの要素として"造形性で描く装飾感"が新たなテーマとして浮上した2007年春夏シーズン。 この方向性の中で、柔らかで華やかな装飾感を強調したこれまでのロマンティックなテイストに代わって、シンプルかつ立体的なフォルムで表現される未来的な志向性を持った新しいテイストが登場した。これは表層的な装飾性からより本質的な装飾性への移行とも捉えられ、クリーエションが新しいフェーズを迎えたひとつのエポックと言うことができる。 この新しい流れの延長に、2007-08年秋冬シーズンは位置付けることができるだろう。カラーにおいてもナチュラルをベースとはしながらも、その対極にあるアーティフィシャル(人工的)な要素を備えた"モダンさ"を表現することが標榜されている。また限定された色相の強弱によってつくりだす深みのあるカラー表現や多彩なオフブラックが神秘性と深遠さを持つクリエーションを要求する。 一方リネアペッレでは、グロッシーなエナメルや輝きのメタリック素材がバリエーションを広げ、起毛やファー、爬虫類、そしてこれまで見たこともないようなグロテスクなほどに凹凸のある表面感が注目される。 シューズ、バッグにおいても、ここしばらくのクラシックやトラッド、あるいは特定の年代のファッションをソースとするといったこととは異なる、別の切り口からのクリエーションによって、新たなフェーズへの移行を示さなくてはならないだろう。ジャルフィックでは、春夏シーズンに浮上した"造形性"のさらなる深化と、"未来志向のモダニズム"への挑戦、それに加えて秋冬ならではの"重厚さと神秘性"をクラシックとは異なる視点から表現することをトレンドの骨子としたい。 具体的には3つのテーマを展開しているが、いずれも造形性へのアプローチを強く意識した。それぞれ、女性美を贅沢に表現するクチュール的な造形性、新素材や新技術に影響を受けたかのような未来感を感じさせる造形性、そしてファッション雑貨としてのアクセサリー力を発揮する遊び心のある造形性と3つのベクトルを設定している。また、選択性とバラエティを持たせるために2つの極を設け、その振幅の中でイメージを展開する。