1. マテリアル&カラー
さまざまなスエードのタッチと“偽りのブラック”
<トラッド>や<マニッシュ>というトレンドから、毛足の短いケープバット調スエードや、キッドスエード、カーフスエード、オイリースエードなど、スエードのバリエーションが豊富。これらと、久しぶりに復活したクラシックなカーフやガラス調レザーとのコンビネーションも新鮮に映る。また、狩猟用や乗馬用のラバーブーツをベースとしたデザインも増加傾向にある。
▲80年代調の艶のあるブラック(CHRISTIAN LACROIX)
▲温かみのある起毛素材のスエードにスタックドヒール(AUDLEY)
2. トウ&ヒール
トウのボリューム感と加速するヒールのデザイン化
捨寸の短いトウラインが主流。プラットフォームをアッパーと一体に吊り込むテクニックが継続していることもあり、全体にボリューム感のあるトウ部のシルエットとなっている。ヒールは、セクシーなウルトラハイヒールが継続。その中にも、ラインをわざと崩したピンヒールやユニークな形のプラットフォーム、トップリフトのアクセサリー効果など、新しいアイデアが提案される。そして、モールド制作の必要のないウッドヒールが造形の幅を広げ、さまざまなブランドでアーティスティックなヒールが見られるようになっている。
▲モダンでシャープなセットバックヒール(CHRISSIE MORRIS)
▲アウトドアシューズのモチーフとしてラギッドソールを使用(ELLEN VERBEEK)
3. ディテール&オーナメント
ブーツを新鮮に見せるディテールに注目
華やかなオーナメントではなく、抑制された装飾感が続く中で、カラーコンビネーションやヒール、プラットフォームなどの個性溢れるデザインがオーナメント効果を果たしている。また、<マニッシュ>モチーフとして、キルティやハトメ、メダリオンなどが豊富。さらにブーティを始めとする深めのトップラインのアイテムに向けては、履き口にスポーティーなゴアを用いて機能性を補完するといった手法も目立つ。特に重要なブーツには、カッターシューズにソックスを装着したデザインや、筒部を折り曲げたり、外したりすることによって表情を変える仕掛けなど、たくさんのアイデアが登場。
▲キルト、バックル、押縁といったマニッシュなディテールをフェミニンに表現(BERNY DEMORE)
▲取り外し可能なアタッチメントでの2ウェイ仕様。装飾効果も(CHRISTIAN LACROIX)