MICAM / WHITE / CLOUDENINE NEOZONE TOUCHI!
1. マテリアル＆カラー
ニュアンスのあるナチュラル感は
カラーと表面感の相乗効果
マテリアルは継続してスエードやヌバック、ベロアなどの起毛素材が多い。今シーズンは起毛効果が生きる、グレーからダークベージュまでの微妙なニュアンスのナチュラルカラーが台頭しており、色と素材感が大きな相乗効果をもたらしている。また、ラビットやフォックス、ムートン、へアードカウ、フェイクファーに至るさまざまなファーやフェザーの提案が例年以上に多いのも特徴的。その他にはソフトなナッパやシボ感に特徴のあるバッファローも増加、肌色が美しいヌメも随所で効果的に使用される。華やかな表面感としては、アニマルプリントや手染めを施したペトロールカラーのシルバーレザー、あるいは鈍く光るメタリックなど。特にメタリックはシボを生かし、顔料を吹き付けることでクラッシュさせた表面感が新鮮。布帛では起毛と光沢を特徴としたベルベットに加え、ユニークなものとしてネオプレーン使いが挙げられる。
カラーは上記のナチュラルカラーに加え、ベースカラーとしてのブラックやブラウン、さらにアクセントカラーとしてボルドー、パープル、ブルー、グリーン、ターメリックなどが注目される。
▲グレーとブルーのシルキースエードにシルバーのアクセント(GEORGINA GOODMAN)
▲毛足を生かしたラビットのモコモコブーツ（ELLEN VERBEEK）
2. アイテム＆フォルム
バリエーション豊かに提案されるショートブーツに注目
さまざまなレングスのブーツが提案される中で、最も注目を受けたのがショートブーツ。クラシックなレースアップやサイドゴアブーツ、カジュアルなウエスタンブーツやマウンテンブーツ、あるいはブーティと、そのバリエーションは豊か。ブーツも含め、足元のボリューム感がスタイリングにおいて重要となる中で、クラシックな趣の甲深パンプスが登場し新鮮に映った。ファッショントレンドともリンクし期待されるサボは、ウッドソールのブーツも含め、多くのブランドが装飾的に提案。一方、マニッシュシューズやバレーシューズは継続しており、これを引き継ぐかのように、ラグジュアリーなスニーカーの開発が目立ち始めた。従来のスニーカーとは異なる贅沢な素材使いや仕様など、今後の展開に注目したいカテゴリーである。
シルエットは捨寸の短いポインテッドトウやラウンドトウにボリューム感を備えた、クラシックなムードのものが中心。またハイヒールで展開される、やや内ぶりのトウラインも興味深い。ヒールはエレガントな曲線を描く細めの高寸、カジュアルな太めの中寸、低寸まで幅広く展開される。全体のクラシックな味わいにスポーティーなモールドソールやラギッドソールを装着したり、取り外し可能なヒールカバーを付けるなど、ヒールやソール部に対するデザインテクニックが光る。
▲エッジのきれいに立ったアイロントウ（COLLECTION PRIVEE）
▲曲線的なカービーヒール（L’AUTRE CHOSE）
3. ディテール＆オーナメント
シンプルな中に光るクラシカル・モダンなアクセサリー
基本的にシンプルな方向性の中で、自然な調和を意図したマテリアル＆カラーコンビネーションによる装飾が主流となっている。アイキャッチ力のある装飾としては、メインマテリアルにファーを使うことによって華やかさやかわいさを演出したり、定番的なアイテムをファーやフェザーで飾るといった手法が多く見られる。
そしてバレーシューズには、継続してコサージュ、リボン、蝶、プラスティックパーツなどによる、存在感のあるオーナメントが登場。一方で、革テープにシルバーのアクセアリーを挟み込んだオーナメントや、バレーシューズにパール風のオーナメントを一粒配すといった、上品かつフェミニンな装飾感がとても興味深い。
金具類も多く、スタッズやチェーン、大きめのハト目などが登場しているが、いずれもゴールドカラーでエレガントな趣にこなされているものが新鮮に映る。
その他には、トラッドやクラシックの流れを受けたさまざまなレースアップやサイドゴアのデザイン、さらにメダリオン、タッセル、ベルト使いなど。またカラーコンビネーションに寄与するアクセント的なステッチワークも改めて注目される。
▲エレガントなチェーンとゴールドのハトメに短めなキルトタッセル（MALOLES）
▲マウンテンブーツ風のD管ディテール(PELLICO)