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BIRD'S EYE コラム。シューズ&バッグビジネスを俯瞰する。

市場経済のイマを考える(1)

"格差"ということがしきりに云われています。昨年秋に改装された新宿・伊勢丹の婦人靴売場では3万円のメイド・イン・イタリーが平場を大きく占めています。いっぽう4月にオープンした横浜・港北の商業施設"ノースポート"では、ダイアナもディフュージョン版の"ダイアナ・アンダーライン"を、ABCマートの"ヌオーヴォ"そして"ビュー・カンパニー"と、婦人靴はケミカル商品で構成されています。

バブルが崩壊する'90年頃まで、日本の婦人靴の市場は¥7,900〜¥9,800の革靴のボリューム市場が中心であり、現在のようにケミカル市場とメイド・イン・イタリーの高額品に大きな関心があつまることはありませんでした。

しかし高価格商品がそれほどふえている訳ではありません。年間の市場規模はこの20年間ほぼ6億足前後ですが、金額ではかつて1兆6千億円をこえていたものが、1兆4千億円程度に減っています。

低単価商品が圧倒的にふえていることがわかります。数量が同じで単価が下がることは、コストが同じで売上が減り、業界全体が疲弊していることになります。

この背景にあるのは'90年代以降のグローバル化です。私はこのグローバル化がどうして起こったか、そしてこれからどうなるかを考えてみたいと思います。

(2へつづく)